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「自分の心の器以上に組織は大きくならない」NPOグリーンズ共同代表・植原正太郎さんがTHE COACH ICPで得た気づき

人の心が置き去りにならない組織をつくりたい——。NPOグリーンズの植原正太郎さんは、2018年に共同代表就任後、そんな想いを胸にチームづくりに力を注いできました。

「まだまだ道半ば」という植原さんですが、THE COACH ICPの基礎コース・応用ABコースを終えたいま、コーチングの学びが人との関係性に生きてきているといいます。今後より深い学びを目指して、プロコースも受講予定なのだそう。

そんな植原さんがコーチングを学んで気づいた「組織や事業づくりに必要なこと」を伺いました。

NPO法人グリーンズ 共同代表 植原正太郎(うえはら・しょうたろう)
1988年4月仙台生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。新卒でSNSマーケティング会社に入社2014年10月よりWEBマガジン「greenz.jp」を運営するNPO法人グリーンズにスタッフとして参画。2021年4月より共同代表に就任し「いかしあう社会」を目指して健やかな事業と組織づくりに励む。同年5月に熊本県南阿蘇村に移住。暇さえあれば釣りがしたい二児の父。

“心を置き去りにしない”組織のつくり方を探して


——植原さんがグリーンズの共同代表に就任されたのは2018年。マネジメントや組織づくりのこれまでの経験をお聞かせいただけますか?

グリーンズは社会課題や環境問題に長く向き合ってきたNPOなんですが、社会にとって必要な事業に取り組む一方で、働くメンバーの心やモチベーションが置き去りになってしまっていた時期があったんです。2018年に僕が共同代表に就任した理由のひとつには、少し大袈裟だけど「組織を立て直す」という意味合いも込められていました。

——就任当初から、メンバーの心に寄り添うことの重要性を感じていたんですね。

僕の場合、自ら経営者になったわけではなく「気づいたらなっていた」って感じで。だから、何か大きなビジョンを持って人を引っ張っていくような経営者ではないんですよ。それよりも、みんなが活躍できる場づくりや空気づくりのほうが得意なんじゃないかと、僕の中で仮説を持っていました。気持ちよく働くためにはやっぱり質の高いコミュニケーションが欠かせません。それをどう学んでどう実践していくべきか、あれこれ考えていたんですね。

——そこでひとつのコミュニケーションのあり方として「コーチング」に出会ったと。

はい。とあるリーダー育成プログラムに参加する機会があって、半年間、プロコーチについてもらっていました。月に一度、コーチに問いを投げかけてもらいながら、自分の課題やモヤモヤしていること、悲しかったことをとにかく聞いてもらうんです。その時間のおかげで「自分はどんな人間なのか」「いま何を感じているのか」がどんどん見えてくる感覚があって。自己認識が深まっていくっていうのかなあ。

「コーチングってすごいな。おもしろいな」とぼんやりと感じていたときにTHE COACH ICPの存在を知って、受講してみようと思ったんです。

「ちゃんと聞けているのか?」日常のコミュニケーションを見直すきっかけに


——実際に受講してみていかがでしたか?

基礎コースの始めの授業から印象に残っています。一番感動したのは、人とのコミュニケーションにおいて大切なことがたくさん詰まった「コーチングマインド」を最初に教えてくれたこと。コーチングってある意味「目の前の人の話を聞く」っていうすごくシンプルな行為ですよね。でも、その「聞く」っていう行為が人との関係性づくりにおいてどれだけ大切なことなのか。自分がこれまでしてきた「人との関わり方」を根本から見つめ直すきっかけになりました。

基礎コースを受け終わった時点で、これはもうプロコースまでやり切ったほうがいいなって確信して。コーチングマインドは、僕が抱えていたコミュニケーションの課題に直結する感じがしたんです。

——具体的には、どんなことにハッとさせられたのでしょうか?

グリーンズは小さな組織だからこそ、一人ひとりと濃い関係性の中で働けている実感があります。ただ、距離が近いからこそ、相手の話を聞く前に「この人はきっとこう考えるだろう」と、僕が勝手に解釈してしまっていたことに気づかされました。

あとは、メンバーとzoomで話しているとき、話を聞いているようで実は全然聞けてなかったなあとか、相手の顔をちゃんと見れてなかったなあとか。いまでもすべての場面でできているとは言えないけど、「ちゃんと目の前の人の話を聞けているのか」をすごく意識するようになりましたね。

ー基本的な「傾聴」を学ぶ基礎コースではそのような学びがあったのですね。一方、自分や他者の願いや恐れに気づいていく次のステップ「応用A・Bコース」ではどんな学びがありましたか?

応用Aコースでは、自分の内側にあるビジョンに気づくためのワークやセッションを練習する時間がありました。「ビジョン」っていう言葉を聞くと、会社や組織が大きく掲げてそこにみんなで向かっていく目印のようなものっていうイメージが強かったんです。

でも、THE COACH ICPで扱うビジョンは全然違いました。ビジョンは誰かが掲げるものではなくて、一人ひとりの心の内側にある。そのビジョンに気づいて、より自分らしく歩んでいくお手伝いをするのがコーチの役割なんだと。

すごくハッとさせられましたね。グリーンズにもビジョンはありますが「全員でそこに向かって進んでいくんだ!」というよりも、メンバーそれぞれの中にあるビジョンを見つけて、重なる部分を生かし合うほうがチームとして自然なのかもしれないと。

コーチングマインドを持った組織や事業づくりに挑戦


——THE COACH ICPで学んだことを組織づくりにどんなふうに生かしていきたいですか?

まだ模索中な部分が多いんですが、まずはマネージャー層がコーチングマインドを持つことがすごく大切だと思っています。マネージャーが話をちゃんと聞いてくれるっていうだけで、メンバーの力が発揮されたり、想像もしてなかったアイデアが生まれていったりすることも十分あり得るだろうなと。

逆にマネージャーに聞く耳がないと、本当は組織やメンバーにとって大切だったはずの声が置き去りにされてしまいます。モチベーションも下がるし、経営としても機会損失になりかねません。課題解決や事業拡大よりもメンバーの心を優先することが、結果として思わぬ成果を生んでくれる気もしているんですよね。

——植原さんの受講体験をきっかけとして、グリーンズとTHE COACHの提携がはじまったというお話も...!

そうですね。グリーンズは、特に個人の意識や行動変容に貢献していきたいという想いがあります。その事業の一つとして、人生のトランジション(変容)を応援するコミュニティ「グリーンズジョブ」を運営してきました。人が変容していく過程には、安心して対話したり自己内省できる環境が必要だと思っていて、コーチングとの相性がすごくいいなって。グリーンズの内部にも、関わってくれるコミュニティメンバーにもコーチングマインドが伝播していくきっかけになったらいいなと思っています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000069031.html

自分のために、チームのために。心の器を育みつづける

——最後に、THE COACH ICPの受講を検討されている方へメッセージをお願いします。

約3年間経営者をやってみて思うのは、「自分の心の器以上に組織は大きくならない」ということ。拡大することがゴールではないものの、やっぱり自分の意識が良くも悪くもチームや事業に影響を与えるんですよね。自分の器が小さいと、本当にそのサイズのインパクトしか残せない。

——自分の心の器...。植原さんにとってはどんなものなのでしょうか?

より良く自分と関わり、他者と関わるための人生の道具。自分を深く理解することで、その器のカタチや大きさを柔軟に変えることができて、他者をあるがままに受け入れることができたら、器としては理想なのではないかと考えています。とても難しいですけどね。

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執筆:佐藤伶
撮影:山中康司