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「大切なのは、自分から本音で話すこと」CRAZY森山和彦さんとこばかなが考えるパートナーシップの築き方

パートナーシップ。この言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?

「協力」「信頼」「互助」「一心同体」「共創する関係性」など、それぞれが持っているイメージや定義などがあると思います。

2021年9月14日に開催したTHE COACH ICPのイベントのテーマは「自分らしくいられる”パートナーシップ”の築き方」。株式会社CRAZYの森山 和彦(もりやま かずひこ)さんをお招きし、THE COACH代表のこばかなとトークセッションを行いました。

森山さんが代表取締役社長を務める株式会社CRAZYのパーパスには、「パートナーシップの分断の解消」が含まれています。だからこそ、パートナーシップについて考え続ける人生だったと話す森山さん。すべての人が一度は立ち止まって考えた経験があるであろう「パートナーシップ」について、視聴者の方からいただいたご相談やご質問をもとにお話いただきました。本noteではそのダイジェストをお届けします。

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森山 和彦(もりやま かずひこ)さん
株式会社CRAZY 代表取締役社長。大学卒業後、人材コンサルティング会社に6年半在籍。2012年7月に株式会社CRAZYを創業。 ウェディングプロデュース事業「CRAZY WEDDING」を運営し、「情熱大陸」をはじめ数多くのメディアに取り上げられる。現在は2019年2月にオープンした自社ブランド施設「IWAI OMOTESANDO」を中心にウェディング事業を展開。経営の第一優先を健康とし、創業から毎日手作りの自然食を提供する他、全社員で世界一周旅行などユニークなカルチャーを有する。

CRAZY:https://www.crazy.co.jp/
CRAZY WEDDING:https://www.crazy.co.jp/wedding/

パートナーシップとは?

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こばかな:今回のトークセッションのテーマが「パートナーシップ」ということで、事前に辞書で調べてみたところ、協力関係、共同、提携と端的に記載されていました。結局パートナーシップには何か対象がある、ということだと私の中で解釈したので、家族、ふうふ、上司などのように、パートナーシップの対象として何が挙げられるのかを事前に洗い出してみたんです。

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森山:挙げるときりがないくらい、たくさんありますよね。こばかなさんが出していただいた例にもありますが、「自分とのパートナーシップ」という考え方もあります。自分をひとつの別人格として分人化したり、あるいは自分を多面的に捉えてどのように関係性を結ぶか。

地球や宇宙を対象として考えるのも面白いですね。自分がどれだけパートナーシップを意識できるかで、世界の捉え方も変わってくると思います。

こばかな:自然や地域も書いてみたんですけど、必ずしも人に囚われる必要はないですよね。もしかしたら、土地や地元に対して特別な思い入れがあるのもパートナーシップかも。

森山:大事なのは、その対象とどれだけのものを含んだ関係性でいられるかだと僕は思います。こういったことを考えるのが趣味なので、ここからのトークセッション、とても楽しみですね。

職場・仕事でのパートナーシップ

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こばかな:さっそくですが、職場の新人の方との関係性に悩んでいる方から事前にお悩みが届いています。「指導以外の場での関わり方がうまく掴めません」とのこと。

森山:ここからは皆さんから事前にいただいたメッセージを元に話を進めていくと思うのですが、前提として、いただいた文章からだけだと明確に断言してお話をすることは難しい、とお伝えさせてください。

そのため、あくまで僕の経験や知識を元に推察しながらお話していきます。コミュニケーションにおいて、前提を共有することはとても大事だと思っています。今回のセッションでは僕とこばかなさん、そして僕たちと視聴者の方とのパートナーシップもあるはずですから。

どうしてこの話を最初にしたかというと、この看護師の方もおそらく新人の方と前提の共有が不足していたり、話し合いの機会が少なかったりする事で、関係性が進んでいかないのだろうと思います。

こばかな:おっしゃる通りだと思います。「怖がられていないか?」と思われているところからも、おそらく腹を割って話せていない気がします。その機会を作ることに対しても恐れがあるのは、先輩としてはよくあることかもしれませんね。

森山:これは「6年目の看護師」と「新人看護師」というビジネス上の関係性と、人間と人間というシンプルな関係性に区別することができます。混在してしまいがちですが、指導をしてきちんと成長させることと、人間的に深くつながることは分けて考えるとわかりやすいかもしれません。

「指導以外の場での関わり方がうまく掴めません。」というのは、その人と人間的にどう付き合ったらいいかわからない、というシンプルなものになると思います。

こばかな:ビジネス文脈とヒューマ二ティを分けるのはすごく共感します。コーチングのマインドでも、人はありのままで満ち足りているからそのままでいていい、評価判断をする必要がないという考え方があるんです。

ちょうどコメントが来ていますね。「質問しました看護師です。図星です。話をゆっくりする時間が取れておらず、もっと近づきたいけど、近づけないという状況です。」

森山:リアルタイムでやりとりできるのはいいですね。こういったご時世なので、きっと皆さん忙しいですよね。もし時間が取れない場合は、無理に話し合いの機会を設けなくても、日常的にひとこと声をかけるとか、挨拶を欠かさないとか、些細なことですが意外と効果があるかもしれません。

「仲良くなりたい」「あなたのことを人間的に受け入れているよ」という質問者の方の内面は、そうした声かけからでもきっと伝わるはずです。

こばかな:たしかに、何を話しているかよりも、何を醸し出しているか。人って後者を多く感じることがありますよね。話していると、パートナーシップを深めていくことはけっこう勇気のいることなんだなと感じます。

ふうふ・恋人とのパートナーシップ

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ふうふの関係性を良好に保つためには?

こばかな:続いて、結婚後のふうふの関係性についてですね。

森山:「子どもが産まれると関係性が変わるという話を聞くので不安に思っています。」ということで、この方はいま不安なんですね。僕も結婚して、娘がいるのでよくわかります。

おっしゃる通り、お子さんが産まれるとふうふの関係性は変わるはずです。子どもというのは親がコントロールできない存在なので、今までの自由な時間は減り、良くも悪くも時間的・空間的に拘束されるんです。

ただ僕自身、不安はやっかいなものではなく、何らかのきっかけとなる側面もあると思っています。パートナーとの関係性において何より重要なのは、話し合えるかどうか、これに尽きます。おそらくパートナーも同じように不安な気持ちを抱えていると思うので、これを機にどんなことでも話し合ってみて、それをおふたりの習慣にしてみるといいかもしれません。

こばかな:間違い無いですね、それに尽きる。森山さんはパートナーとコミュニケーションを取る上で大切にしていることはありますか?

森山:どういうコミュニケーションを取ると相手が満足するかは意識していますね。愛情表現には「肯定的な言葉」「献身的な行為」「質の高い時間」「ボディタッチ」「プレゼント」と、大きく分けて5つあるという話があります。

とりあえずこの5つを実行すればいいというわけではなくて、人によって愛情を感じる順番が違うことが重要なんです。僕の場合は、言葉を交わすことがいちばん嬉しい。彼女は一緒に過ごす時間の長さやプレゼントで喜んでくれます。

これを知らないと家事を頑張って献身的な行為をしても、なんで喜んでくれないんだろうと、誤解が生じてしまうんです。お互いに何を大切にしているか、共有し合っているのは重要なことだと思います。

こばかな:すごくわかります。一緒に過ごすうちに相手はこうしたら喜ぶと無意識に刷り込まれていて、阿吽の呼吸みたいな関係性はあるかもしれないけど、こうした知識で補える部分はあるかもしれませんね。

結婚とは?

こばかな:私自身まだ結婚はしていないんです。たとえ書類1枚できるとしても、結婚に対しては重みを感じているのですが、森山さんは結婚に関してどう考えていますか?

森山:結婚って、努力が前提なんですよ。「健やかなるときも、病めるときも...」と誓いの言葉はよく聞くと思うんですけど、相手がどんな状況であっても、自分は努力し続けてこの人との人生を豊かなものにしていく。愛されることを誓い合っているのではなく、能動的な誓いなんです。

相手といると楽しいから、成長させてくれるから一緒にいる。そうした条件付きのパートナーシップもありますが、理想的な関係性は無条件を受け入れた状態だと思っています。つまり愛があるかどうか。あなたさえそばにいてくれればそれでいい、どんなことがあってもあなたの味方、そう思えるような関係性を築けるのは、ふうふである可能性が高いんです。

こばかな:わたしも昔はパートナーに対してバリューを発揮しないと嫌われるかも、と思うフェーズがあったので大共感しています。

「無条件の愛を受け入れられない時期」とでもいうんでしょうか。でも無条件の愛を受け取ってもいいんだと思えると、ひとりでいることよりも誰かと一緒にいた方が心地よかったり、むしろふたりでいる方が自然に思えてくることがありますよね。

友人・家族とのパートナーシップ

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こばかな:こちらの方は、ママ友とのパートナーシップについて悩んでいるそうです。

森山:相手の価値観もわからないですし、ママ友同士も大変ですよね。「おせっかいと望まれている手助け」の境界線は、受け手の方がどう捉えるかという問題なので、ご相談者が判断するのは難しいんです。

思い切って「〇〇さんはママ友同士の距離感ってどうしていますか?」と、そのままママ友に相談してみるのはどうでしょう。

大切なのは自分から本音で話すことです。悩みや弱みを見せることは勇気が必要かもしれませんが、人は鏡なので本音で相談されたら本音で返してくれるはずです。

こばかな:自己開示大事ですよね。

森山:超大事です。

こばかな:ママ友の中でも、話しやすそうな人から声をかけてみるといいのかなと思います。そこから徐々にコミュニティも変わっていくかも。

自分とのパートナーシップ

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こばかな:4つ目のご相談は、初対面の方とのパートナーシップの築き方ですね。

森山:こばかなさんはいかがですか。コーチングをしていると、初対面の方と関係を深めていくことはかなり多いと思うので、これは聞いてみたいです。

こばかな:初対面の場合、自分が頑張って盛り上げなきゃと思うと話のネタを考えるモードになって、結局何を話せばいいかわからない状態になってしまうんですよね。なので、最初は相手に雰囲気を合わせていきます。

私は他者に対して好奇心を持ちやすいタイプで、相手に質問してパーソナリティを知っていくのが基本的に好きなんです。その人を知ることによって、自分の内省が捗ることがあるので、自分自身にも還元される。そうした関わり方を楽しむ方法もあります。

森山:僕もこばかなさんと似ていて、自分以外の人やモノに強烈に関心があるんです。目の前にいる生の人は、今日この瞬間しか会えなくて、明日には何かが変わってしまうことがある。究極的にはもう二度と会えない場合もあるじゃないですか。

とりわけ、その人の本質的な核に興味があるんです。人生の目的、言動の根本にあるもの。それを聞きながら、言語化されていく様子を見ているのが自分も楽しいんです。

こばかな:森山さんはもともと人に興味があったんですか?それとも大きなきっかけが?

森山:昔は真逆で、人に関心がなかったんですよ。興味があったのは論理性と営業の成果、そして自分の成長だけです。ただ、働く中で自分の限界を超えて、初めて誰かのために涙を流せる仕事ができたんです。

思い返すと自分はいろんな人に支えられてきて、自分で全部やれると思っていたのは大きな間違いでした。人間の情の部分のように、仕事を通じて論理を超えた何かがあると感じる場面は多々ありました。

こばかな:私も昔は論理的であることが大好きで、仕事だけではなくプライベートにも持ち込んでいたのですが、いまは論理を超えた何かに関心が向いています。結局、論理や言語で表せないものがあるとコーチングを通じて気づいてきて、論理で説明できない何かを無理に言語化しようとしなくてもいいのかなと最近は思っています。

「頭ではわかっているけど、相手に興味が持てません」視聴者からの質問・相談タイム

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こばかな:リアルタイムでもいくつかご質問が届いていますね。

「森山さんはどのように無条件の愛を受け入れた?」

森山:どうやって受け入れるかというのは難しい話で、結局は自分が認識するかどうかなんですよね。たとえば、昔の僕は親友がほしいなと思っていました。当時は親友がいないと思っていたんですよね。でもあるとき、自分がそう考えているだけだと気づいたんです。

親友の定義は人それぞれなので、自分が親友と思えたらそれでいい。無条件の愛も絶対的な定義はないので、気が付けばすでにあるかもしれません。

こばかな:わかります。一朝一夕で気づくのは難しいですよね。

「人に興味を持つのが良いことだと頭ではわかっているのに、人に興味が持てない」

森山:僕も昔は興味がなかったのでわかります。これは相手が魅力的でないからではなく自分の問題だと思っていて、僕は枠から出る体験をして、自分の中にパラダイムシフトが起きました。これはご自身で気づくか、コーチングやカウンセリングを受けるしかないんです。

僕は長い間コーチングを受けていて、これは良いものだと常に実感しています。何が素晴らしいのかというと、客観的な視点から自分を見つめ直せる点です。客観性がない状態を例えるなら、鏡を持たずに化粧をしているイメージ。もしかしたら口紅がはみ出ている状態で、自分もコミュニケーションをとっているかもしれません。

こばかな:たしかに、自分自身のコミュニケーションに自覚的になるのは、もはやエチケットかも。

「しっかりと関係性を築く前に離れてしまった」

こばかな:最後に「興味がある人とお互いを知っていく前にすれ違いが起き、離れてしましました。おそらく愛情表現の違いや、話し合うタイミングを見分けられなかったことが原因だと思います。」というご相談をいただきました。

森山:パートナーシップにおいて、話し合う環境は大事です。時間帯、場所、相手の状態など、全環境がその話し合いの質に関係すると思っています。

その一方で、この方が違和感を抱いた瞬間もとても大事なタイミングなんです。話し合うタイミングを見計らわず、あなたが話したいと思う今この瞬間に、声をかけることもまた大事だと思います。1回の気合の入ったデートよりも、細かなコミュニケーションこそ大切なんです。

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こばかな:本日はありがとうございました。振り返ってみていかがでしたか。

森山:楽しかったです。ご相談いただいた方に共通しているのは、皆さん誰かとより親密になりたい、優しい方たちばかりだと思っています。皆さんの中の可能性を信じて、豊かなパートナーシップを築き上げることができたら、巡り巡って豊かな世界になっていくと思います。

こばかな:私も話していて楽しかったです。パートナーシップというひとことでも、まだまだ話し足りないくらいでした。皆さんもぜひ、日常の中で家族やパートナーとの関係を見直していただいたり、これを機に直接話し合っていただいたりするのも面白いかもしれません。

本日はご参加いただきありがとうございました!

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